top of page

研究内容

矢尾1)シナプスのE3ユビキチンリガーゼSCRAPPERによる神経伝達調節

私たちが発見したSCRAPPERタンパク質を基盤に、様々な角度から分子から個体までの病態解析に取り組みます。

image.png

SCRAPPER依存的なユビキチン・プロテアソーム系を介したRIM1分解のモデル図(左) E1,E2の働きの後、SCRAPPERを含むSCF複合体E3ユビキチンリガーゼの働きによりRIM1はポリユビキチン化され、プロテアソームで分解される。右の絵は、「JoJoの奇妙な冒険」で有名な漫画家・荒木飛呂彦氏によるCell誌カバーデザインで、人型のものをSCRAPPER、円盤形のものをRIM1、小さいハート型のものをユビキチンとして表し、SCRAPPERがRIM1にユビキチンを付加していく様子を擬人化して表現している。 Yao I, et al: Cell (2007)より改変

矢尾2)質量顕微鏡法による神経伝達物質のイメージング

脳情報の時空間的制御の解明をコンセプトに、神経活動依存的な神経伝達物質の動態を明らかにします。神経伝達物質可視化のためのツールとして、質量顕微鏡法を取り入れ、脳情報の可視化を行い、統合的な理解をはかります。この理解は、脳のはたらきの解明のみならず、神経伝達物質放出異常に関与する多くの神経疾患の治療への手がかりとなり、リハビリテーションなどに重要な新規のアプローチとなることが期待されます。

image.png

野生型(WT)マウスとScrapperノックアウト(SCR-KO)マウス脳の矢状断切片画像上段;ヘマトキシリンエオシン(HE)染色画像中段;マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量顕微鏡法 (MALDI-IMS)で検出したグルタミン酸の分布下段;MALDI-IMSで検出したGABAの分布

​李)Hippoシグナルによる腫瘍細胞の不均一性と治療抵抗性

Hippo経路は、細胞間接触や機械的刺激、代謝、酸化ストレス、低酸素などの環境情報を統合し、細胞の運命を制御します。腫瘍組織では環境が不均一性であるため、がん細胞間でHippo経路活性にも多様性が生じると考えられます。しかし、その形成機構や腫瘍進展、治療抵抗性への影響は未だ明らかではありません。私たちはこれまでの研究において、Hippo経路の主要なエフェクターであるYAP/TAZの活性が腫瘍細胞間で不均一性な患者では、無再発生存期間が短縮することを見出しました。さらに、YAP/TAZ低活性細胞がフェロトーシス抵抗性を獲得し、抗酸化分子BH4の産生を高めることで周囲の細胞を保護し、腫瘍全体のフェロトーシス抵抗性を促進することを明らかにしました。現在は、これらの知見を基盤に、腫瘍細胞間の多様性と細胞間コミュニケーションが、腫瘍進展や治療抵抗性を生み出す仕組みを研究しています。

image.png
image.png

​小林)抗肥満作用を有する天然植物由来成分の探索研究

食品や身近な植物に含まれる天然成分に着目し、肥満と関連する代謝性疾患の予防に役立つ成分と、

その作用メカニズムを研究しています。

私たちが研究の標的としているのは、脂肪組織に存在する酵素「11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素1型(11β-HSD1)」です。 この酵素は不活性型グルココルチコイドを活性型へ変換し、脂肪細胞内での作用を増幅します。 その結果、脂肪細胞の分化や脂肪蓄積が促進されるため、11β-HSD1活性を抑える植物成分は、肥満予防に役立つ可能性があります。

image.png

植物成分から見いだした2つの研究成果

image.png
image.png

​身近な植物から、次の候補成分へ

現在も、食品や身近な植物に含まれるさまざまな成分を対象として、11β-HSD1活性を指標とした探索を続けています。 候補成分が脂肪細胞の分化や脂肪蓄積に及ぼす影響と、その作用機序を明らかにし、将来的には肥満および糖尿病など関連する代謝性疾患の予防に役立つ食品成分や機能性食品の発見につなげることを目指しています。

■過去のテーマ

鳥山)神経回路形成時における不飽和脂肪酸の作用機序の解明

不飽和脂肪酸特にDHAによる神経機能制御機構を明らかにします。

image.png

© 2026 関西学院大学生命環境学部生命医科学科 矢尾研究室

bottom of page